コミュニティガスとは?~その仕組みとメリット・デメリットを徹底解説~

近年、住宅地や団地、マンションなどの集合住宅において採用される「コミュニティガス」という供給方式が注目されています。この記事では、コミュニティガスの定義、仕組み、利用される背景、そしてそのメリットとデメリットについて詳しく解説します。


1. コミュニティガスの定義と背景

1.1 定義

コミュニティガス(旧称:簡易ガス)とは、一定規模以上の住宅団地や集合住宅(一般的には70戸以上)に対して、1か所に設置した中規模なガスタンクやガス発生設備から、地下に埋設された導管を通じて各家庭へ一括供給するシステムです。

  • 供給形態の特徴:個々の家庭に個別のガスボンベを設置するプロパンガスとは異なり、ひとつの供給設備で複数世帯へまとめてガスを供給するため、供給効率が高く、管理も一元化されます。

1.2 背景

コミュニティガスは、従来の個別供給方式に比べ、以下のような背景から採用が進んでいます。

  • 計画的な住宅開発:ニュータウンや住宅団地、マンションなど、一定の区画内にまとまった住宅が建設される際に、初期段階から供給方式を決めるケースが多いです。
  • 安定した供給と料金の透明性:ガス事業法に基づき、事前に認可された料金体系で供給されるため、利用者は急激な値上がりや不公平な料金設定のリスクを抑えることができます。

2. コミュニティガスの供給方式と仕組み

2.1 供給設備と導管

コミュニティガスでは、住宅団地内の中心部や敷地内に中型のガスタンクやガス発生設備が設置され、そこから地下に埋設された導管を通じて各家庭へガスが供給されます。

  • ガスタンク:プロパンガスとしての品質はそのまま維持され、各家庭でのガスメーターで使用量が計測されます。
  • 導管システム:各家庭に直接ボンベを設置するのではなく、導管を通して一括供給するため、配送や点検作業の効率が向上します。

2.2 供給方式の違い

一般のプロパンガス(ボンベ供給方式)と比較すると、コミュニティガスは「バルク供給方式」とも呼ばれ、以下の点で異なります。

  • 一括供給:複数世帯へまとめて供給するため、配送コストや管理工数が削減され、料金の安定性が確保されやすい。
  • 認可制料金:経済産業省などの関係機関により、供給料金が事前に認可されるため、自由な料金改定が制限され、利用者にとって安心感があります。

3. コミュニティガスのメリット

コミュニティガスには以下のような大きなメリットがあります。

3.1 料金の安定性

  • 認可料金制度:ガス料金は経済産業省の認可を受けた料金体系に基づくため、事業者による恣意的な値上げが抑制され、利用者は安心してガスを使用できます。

3.2 配送コストの削減

  • 一括供給の効率性:複数世帯を一か所にまとめて供給することで、各戸ごとのガスボンベ交換や配送が不要になり、全体の運用コストが低減されます。

3.3 保安面での安心感

  • 厳格な保安管理:ガス事業法に基づく設備や導管は、使用前検査や定期点検が義務付けられており、国家試験に合格したガス主任技術者の監督のもとで安全管理が行われています。

3.4 顧客の継続利用

  • 切り替えが困難な点:一度コミュニティガスを導入すると、設備が敷地内に固定されるため、他社への切り替えが難しい点は、事業者にとっては顧客の安定確保につながります。

4. コミュニティガスのデメリット

一方で、コミュニティガスにはいくつかのデメリットも存在します。

4.1 事業者変更の困難さ

  • 設備の固定性:ガス発生設備や導管はガス会社の所有となるため、万が一サービスに不満があっても、簡単に別のガス会社へ変更することは難しいです。

4.2 地域差による料金設定の変動

  • 一律料金の設定:供給区域全体で共通の料金が適用されるため、建物ごとに個別の値引き交渉ができず、場合によっては他の供給方式より割高に感じる地域もあります。

4.3 設備投資・維持管理の負担

  • 初期投資の必要性:コミュニティガスの導入には、導管や中型ガスタンクの設置など、初期の設備投資が必要となり、団地や集合住宅の計画段階からの導入が前提となります。

5. まとめ

コミュニティガスは、70戸以上の住宅が集まる団地やマンションなどにおいて、1か所のガス発生設備から導管を通じて各家庭へ供給するシステムです。
この方式は、料金の安定性や配送コストの削減、保安面での安心感といった多くのメリットを提供する一方で、一度導入すると事業者の変更が難しい点や、初期投資の負担といったデメリットも抱えています。
今後、住宅開発やエネルギー供給の分野で、コミュニティガスの利点を最大限に活かしながら、利用者目線の改善策や新たなサービス展開が進むことが期待されます。

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