排水管トラブル完全ガイド:原因から応急処置・専門対策まで徹底解説
本記事では、排水管で発生しやすい「詰まり」「悪臭」「水漏れ」「腐食・破損」「木の根の侵入」の5大トラブルについて、その原因とメカニズムを詳細に解説します。また、自分でできる簡単な応急処置から、業者による高圧洗浄、管更生工法まで、段階的かつ実践的な対策を幅広く紹介します。
排水管トラブルとは
排水管トラブルは、台所・浴室・洗面所などからの排水の流れが阻害されたり、配管から異臭や水漏れが発生したりする、生活の快適性と衛生環境を損なう不具合の総称です。
軽度の問題であれば家庭用品で解消できますが、重度の詰まりや管の劣化、根の侵入などは専門的な技術と機材が必要となります。
1. 詰まり(つまり)
1.1 詰まりのメカニズムと原因
排水管の詰まりは、油脂や石鹸カス、髪の毛などの有機物が管内に付着・堆積し、徐々に水の流れを妨げることで発生します。
特にキッチンでは、温度が下がると油脂が固まり「ファットバーグ」状になりやすく、深刻な閉塞を招きます。
また、管の勾配不良や通気管の詰まりがあると、水がスムーズに流れず汚れを押し流せなくなるため、定期的な点検が不可欠です。
1.2 自分でできる解消法
- ラバーカップ(スッポン):排水口にしっかり密着させ、何度か押し引きすることで簡単な詰まりは解消可能です。
- 重曹+クエン酸:排水口パーツを外し、重曹を振りかけた後に酢やクエン酸を注入。泡立ちが収まったら熱湯で洗い流します。
- バイオ洗浄液:有用微生物を配合した洗浄液が管内全周で作用し、バイオフィルムを分解・剥離します。
1.3 専門的対処法
- スネーク(ワイヤーブラシ)作業:ワイヤー状の器具を管内に挿入し、固着物を直接かき出します。
- 高圧洗浄:業務用高圧洗浄機で内壁の汚れや固形物を一気に除去します。年1回の実施で重度の詰まり予防に有効です。
- 管内カメラ点検:カメラで詰まりの位置・原因を正確に特定し、過剰作業を防ぎながら的確に清掃できます。
2. 悪臭
2.1 封水切れと通気不良
排水トラップ内の封水(水たまり)が蒸発すると、下水管内の悪臭ガスが逆流します。
通気管が詰まると負圧が解消できず、より強い臭気が上がってくることもあります。
2.2 バイオフィルムと臭気の発生
管内のバイオフィルム(微生物の粘着集合体)が有機汚れを分解する過程で、刺激臭の強いガスを発生させます。
2.3 悪臭対策
- 封水補充:短時間しか使用しない排水口は、定期的に水を流して封水を維持します。
- 重曹・漂白剤清掃:重曹でぬめりを落とした後、塩素系漂白剤で除菌し熱湯で洗い流すと効果的です。
- 通気管点検:通気管の屋外排気口に異物がないか、定期的にチェックしましょう。
3. 水漏れ
3.1 接合部の緩みとパッキン劣化
排水管のナット部の緩みや、ゴムパッキンの硬化・劣化が漏水の主な原因です。
パッキンは10~15年で寿命を迎えるため、交換が必要になります。
3.2 氷結・外的要因による破損
寒冷期の凍結による膨張や、収納内での誤衝突が亀裂を生み、水漏れを誘発することがあります。
3.3 漏水の検知と修理
- 染色試験:漏れ箇所に染料を入れて浸透を観察し、微細漏れを特定します。
- ナット締め直し・パッキン交換:工具でナットを増し締めし、ホームセンターで購入した同サイズのパッキンに交換します。
- 管部分交換:破損部位が大きい場合は、P管やトラップ本体を丸ごと交換します。
4. 腐食・破損・経年劣化
4.1 配管腐食のメカニズム
鉄製管では、水分と酸素の接触で酸化鉄(サビ)が生成され、徐々に内壁が薄くなって穴あきや破損が発生します。
水道水中の塩素も強力な酸化剤として腐食を加速させます。
4.2 材質による耐久性の違い
ステンレスやPVC管は腐食・劣化に強く、10年以上の耐用年数を見込めますが、取付け精度や締め付けトルクにも注意が必要です。
4.3 更生工法と更新
- CIPP(管内更生)工法:管内にライナーを圧入し、硬化させることで非開削で管を再生します。
- 全面更新:予算と築年数を考慮し、耐久性に優れた材料への全面的な配管更新を検討します。
5. 木の根の侵入
5.1 根侵入のメカニズム
地中の小さなひび割れや接合部の隙間から、根が水分を求めて侵入し、内部で成長して管を破損・閉塞します。
5.2 除去と再発防止
- 機械的除去:ケレン棒や高圧洗浄で根を除去し、残留物を徹底的に洗い流します。
- 薬剤処理:根を溶解する専用薬剤を投入し、化学的に分解します。
- 管更生工事:薬剤やライナーを用いた更生で、根の再侵入を防止します。
5.3 植栽配置のポイント
排水管周辺に根張りの強い樹木を植えない、または根域を制限するバリアを設置し、そもそもの侵入リスクを下げましょう。
予防策とメンテナンス
定期清掃とカメラ点検
年1回以上の高圧洗浄と管内カメラ診断で、問題の芽を早期に発見・対処できます。
日常の使い方の見直し
- 油脂はキッチンペーパーで拭き取り、固形ごみを排水に流さない習慣を徹底。
- 髪の毛キャッチャーやストレーナーを各排水口に設置して異物侵入を防ぎます。
設備設計・施工時の注意点
適正な管勾配(1/50~1/100)と通気管の確実な接続が、長期的なトラブル防止には不可欠です。
専門業者によるプロメンテナンス
ビルや集合住宅など大規模施設では、法令に基づく定期点検義務はないものの、年1回のプロ点検・清掃が安心です。
――以上の対策を日常的に実践し、専門的な施工品質を担保することで、排水管トラブルを未然に防ぎ、発生時も迅速かつ的確に解消できる排水環境を維持しましょう。
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