水撃現象(ウォーターハンマー)を徹底解説!異音の原因3つと6つの防止策
ウォーターハンマー現象は、配管内の流速が急激に変化することで管内圧力が瞬間的に上昇・下降し、壁や床に「ドン」「バン」といった異音を発生させる水撃現象です。主な原因は、シングルレバー水栓などでの湯水の急閉止による運動エネルギーの圧力変換、全自動洗濯機・食洗機の急停止による水柱分離、水撃防止装置の経年劣化による緩衝機能の低下の3つに大別されます。対策としては、配管口径の拡大、自動空気抜き弁(吸排気弁)の設置、ポンプへのフライホイール取り付け、配管高低差の低減、圧力水槽(サージタンク)の導入、水撃防止器(ウォーターハンマーアレスター)の装着という6つの工事的手法が効果的です。
はじめに
ウォーターハンマー現象とは、配管内を定常流する水を急に止めたり流速を変化させたりした際に、管内の運動エネルギーが瞬時に圧力エネルギーへ変換されて伝わる水撃現象です。この圧力波は10℃の水で約1,425m/sの速さで配管全体に伝播し、大きな衝撃や騒音、最悪の場合は配管破損を引き起こすことがあります。
異音が発生する3つの主な原因
1. 蛇口の急閉止による運動エネルギーの圧力変換
シングルレバー水栓などでレバーを素早く閉めると、流れていた水の運動エネルギーが行き場を失い、閉じたバルブ部で瞬間的に高圧となって衝撃音を発生させます。
2. 全自動洗濯機・食洗機の急停止(水柱分離)
ポンプが急停止すると、管内の水柱が分離して上下の水が互いに衝突し、その衝撃音が「ドン」と伝わります。
3. 水撃防止装置の経年劣化
水撃防止器(アレスター)は管内圧力を緩衝しますが、設置から5~7年以上経過すると内部の緩衝部材が劣化し、十分な吸収力を失って異音を生む要因となります。
放置が招く影響
ウォーターハンマー現象を放置すると、継手部や配管支持部に繰り返し大きな衝撃が加わり、最終的に配管破裂や継手脱落、給水設備の故障を招く恐れがあります。また、集合住宅などでは夜間の異音が近隣トラブルに発展するケースも増えています。
6つの根本的な対策
1. 配管口径を大きくする
配管口径を上げることで同流量時の流速上昇を抑え、圧力変動を緩和できます。
2. 自動空気抜き弁(吸排気弁)の設置
管路頂部に吸排気弁を設置すると、水柱分離時に大気中から空気を吸入して負圧を解消し、衝撃を防ぎます。
3. フライホイールの取り付け
ポンプ軸に慣性車輪(フライホイール)を装着することで、停電や非常停止時の急停止を緩やかにし、水柱分離を防ぎます。
4. 配管レイアウトの高低差低減
高所配管では揚程が高いほど逆流・衝撃が大きくなるため、可能な範囲で配管を低い位置へ移設し高低差を縮小します。
5. 圧力水槽(サージタンク)の導入
配管途中にサージタンクを設置し、有事の際に内部の水を供給して圧力低下を抑制し、再衝突を未然に防ぎます。
6. 水撃防止器(ウォーターハンマーアレスター)の装着
配管末端や機器近傍に専用の防止器を追加設置し、残留水の衝撃を確実に吸収させることで異音を抑えます。
まとめ
ウォーターハンマー現象は「音がするだけ」と軽視すると、配管や機器へのダメージや近隣トラブルに発展しかねない深刻な現象です。まずは急閉止動作をゆっくり行い、簡易的な改善策から試しつつ、根本的には6つの工事的対策を検討しましょう。適切な対策で快適な水回り環境を取り戻してください。
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