家庭でできるトイレつまり解消法~お湯と洗剤を駆使して原因を“溶かす”徹底マニュアル~
今回は家庭にある「お湯」と「洗剤」を使い、トイレつまりの原因を直接的に溶かし流す方法について詳しく解説します。この記事では、正しい温度管理や作業の前準備、安全対策、そして原因別に最適な対処法を紹介し、場合によっては専門業者への依頼の判断基準についても言及しています。
1.トイレつまりの原因とその背景
トイレつまりの原因は大きく分けると二種類あります。
- 水に溶けやすいもの
たとえば、トイレットペーパーや排泄物です。これらは通常、水に溶ける性質がありますが、一度に大量に流すと排水管に残留し、詰まりを引き起こします。特に、海外製や厚手のトイレットペーパー、または水に溶けにくい掃除用シートなどは、その溶解が遅れる場合があるため注意が必要です。 - 硬化・固着しやすい汚れ
尿石は、尿の成分が細菌の働きによって化学変化し、便器や排水管内に付着するものです。尿石が溜まると、ブラシでの掃除や通常の水流では落としにくく、しつこいつまりの原因になります。また、子どもが誤って流してしまった異物(おもちゃや文房具など)も、水に溶けないため放置すると状況が悪化します。
このように、つまりの原因を正確に把握することで、適切な方法を選ぶことが可能になります。家庭での応急処置としては、まずは水に溶けるタイプのつまりに着目し、効果的なお湯や洗剤の使い方を実践することが重要です。
2.お湯を使ったつまり解消法の詳細
お湯を使う方法は、トイレットペーパーや便など水に溶けやすい汚れを柔らかくし、排水管内での流動性を向上させる効果があります。ただし、使用するお湯の温度には十分な注意が必要です。便器は陶器製で、急激な温度変化によりひび割れや破損のリスクがあるためです。
【お湯の適正な温度と準備】
- 適正温度: 45~60℃
沸騰した熱湯ではなく、暖かく感じる程度のお湯を使用してください。 - 準備のポイント:
① 事前に便器内にたまった水を、バケツや給油ポンプ、紙コップなどで可能な限り汲み出します。これにより、お湯が直接便器内の汚れに効率よく作用し、温度低下も防ぎます。
② 便器周辺に新聞紙やビニールシートを敷いて、水しぶきや飛散による床の汚染を防ぎましょう。
【お湯使用の手順】
- 水位の調整
まず、便器内の余分な水を取り除き、適切な水位に調整します。 - お湯の投入
用意した45~60℃のお湯を、バケツなどで便器の内部に高い位置から勢いよく注ぎます。これにより、水圧とともに汚れがふやけ始めます。 - 放置する
便器の蓋を閉じ、約1時間ほど放置します。お湯の熱によって汚れが十分に柔らかくなり、自然流下しやすくなるのが狙いです。 - 流し込みの確認
放置後、再度少量の水を流して、正常な排水状態となっているか確認してください。もしも排水が改善されない場合は、ラバーカップなどの物理的な対処を併用することで、さらに効果が期待できます。
※お湯の温度が低すぎると効果が薄く、逆に高すぎると便器の損傷につながるため、温度の計測には十分注意してください。
3.洗剤を併用したつまり解消法
お湯だけで解消が不十分な場合、洗剤の力を併用する方法が効果的です。洗剤は、汚れの表面の油分やタンパク質を分解する界面活性剤の効果により、つまりの原因を化学的に分解しやすくします。洗剤には中性、酸性、アルカリ性のタイプがあり、それぞれ用途が異なります。
【中性洗剤の場合】
中性洗剤(例:一般家庭で使用される食器用洗剤)は、トイレットペーパーや排泄物の軽度のつまりに有効です。
手順:
- 便器内の水位を事前に汲み出し、通常の水位に調整。
- 中性洗剤を約100cc投入。
- 続いて45~60℃のお湯をゆっくりと注ぎ、20~30分放置。
- 最後に再度水を流し、排水が正常か確認します。
【酸性洗剤の場合】
尿石や水垢の除去には酸性洗剤(例:サンポールなど)が効果的です。特に男性用小便器に発生しやすい尿石は、酸性の作用で溶解しやすくなります。
手順:
- 便器内の水位を下げた上で、指定された量の酸性洗剤を注入。
- 5~15分間放置し、ブラシで軽く擦る。
- 十分な水を流し、尿石が除去されているか確認します。
※酸性洗剤使用時は、肌や目への刺激を避けるため、ゴム手袋や保護メガネの着用、十分な換気を行ってください。
【アルカリ性洗剤の場合】
大量のトイレットペーパーや固まった排泄物のつまりには、アルカリ性洗剤が有効です。アルカリ性洗剤はタンパク質や油脂を分解する作用が強く、重度のつまりに対応できます。
手順:
- 便器内の水位調整後、パッケージに記載された量のアルカリ性洗剤を注入。
- 約20~30分放置し、洗剤の働きで汚れが分解されるのを待つ。
- 少量ずつ水を流して、排水状態を確認します。
※アルカリ性洗剤同士や酸性洗剤との混用は厳禁です。洗剤の取り扱いには十分な注意が必要です。
4.お湯と洗剤の併用による相乗効果
場合によっては、単独でお湯を使った方法や洗剤単体の方法では十分な効果が得られないケースもあります。こうした場合、両者を組み合わせることで、物理的作用と化学的作用が相乗効果を発揮し、早期につまりを解消できる可能性が高まります。
併用手順の例:
- まず便器内の余分な水を汲み出し、排水管内に残った汚れにダイレクトにアプローチできる環境を作ります。
- 中性または目的に合った洗剤(中性の場合は100cc程度)を便器に注ぎます。
- その直後、45~60℃のお湯を注ぎ、洗剤とともに界面活性剤の働きとお湯の熱で汚れを柔らかくします。
- 20~30分程度放置した後、少しずつ水を流して排水状態を確認します。
- 必要に応じて、ラバーカップで物理的につまりを押し流すことも併用すると、より効果的です。
※混合は禁止されており、各工程ごとに十分な放置時間を設けることがポイントです。※
5.作業前の安全対策と注意点
家庭での応急修理は、正しい手順と安全対策がなければ、かえってトラブルを悪化させることもあります。以下の点に十分注意してください。
- 温度管理:
熱湯を使用すると便器(陶器製)が急激な温度変化により割れる恐れがあるため、必ず40~60℃のぬるま湯を使用してください。 - 水位の調整:
便器内に余分な水があると、お湯の効果が減少します。必ず事前に汲み出して、効率的な作業環境を整えましょう。 - 換気と保護具:
洗剤使用時は、必ず換気扇を回すか窓を開け、ゴム手袋や保護メガネを着用して、化学成分による刺激や吸入を防いでください。 - 養生の徹底:
お湯や洗剤の飛び散りによる床や壁の汚染を防ぐため、新聞紙やビニールシートで周囲をしっかり養生することが大切です。 - 洗剤の混合禁止:
酸性洗剤とアルカリ性洗剤、特に塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜると、有毒なガスが発生する可能性があるため、絶対に混ぜないようにしてください。
6.放置してはいけないつまりと、自然回復する場合の見極め
一部のトイレつまりは、一定時間放置するだけで水に溶けて自然に解消される場合もあります。
自然に治る可能性があるケース:
- トイレットペーパーや排泄物が原因の場合
(通常1~2時間、または場合によっては6時間~1晩放置するだけで改善される可能性があります) - 水に流せるお掃除シートなどの場合
しかし、以下の場合は放置すると事態が悪化するため、早急に対処する必要があります:
- 水に溶けない異物(スマートフォン、ボールペン、異物など)が詰まっている場合
- 吸水性のある紙おむつや生理用品が詰まっている場合
- 尿石など、自己流の掃除では落としにくい頑固な汚れが原因の場合
これらの場合、自力での応急処置が難しく、業者に依頼するのが最善策となります。
7.専門業者への依頼について
家庭での対処法を2~3時間試しても改善が見られない場合、または原因が不明な場合は、専門業者への依頼を早めに検討することを推奨します。
業者依頼のポイント:
- 相見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取り、料金や作業内容、評判を比較することで、悪徳業者や不当に高い料金の業者を避けることができます。 - 状況を正確に伝える
現場の状況を写真や動画で伝えると、業者側も適切な対策を迅速に講じることができ、見積もりも正確に行えます。 - 口コミや実績を確認する
水洗工房など、実績と高い評価を誇る会社に依頼すれば、安心して対応を任せられます。
8.まとめ
トイレつまりは、原因を正確に把握し、適切な対処法を実践することで、家庭でも解消できるケースが多いトラブルです。
【お湯の使用】では、適正な温度設定(45~60℃)と事前の水位調整がカギとなり、【洗剤の併用】では、洗剤の種類ごとに用途と注意点を遵守することで、化学的な分解効果と物理的な水圧効果が相乗的に働きます。
ただし、原因が固形物や吸水性のある異物、または頑固な尿石の場合は、家庭の応急処置だけでは解消しない可能性が高く、早急に専門業者に依頼することが重要です。
また、作業前の安全対策(温度管理、換気、養生)を徹底することが、事故や損害を防ぐためには不可欠です。
この記事が、トイレつまりに悩む皆様が冷静に対処し、迅速に問題を解決するための参考情報となれば幸いです。
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