フロートバルブ劣化が原因?トイレタンクの「流れっぱなし」をセルフチェック&交換完全ガイド
トイレタンク内のフロートバルブ(ゴムフロート)が劣化すると、タンクの水が止まらない・水位が低くなる・チョロチョロ音が止まらないなどのトラブルを引き起こします。本コラムでは、フロートバルブの構造と役割、劣化のメカニズム、セルフチェック方法、必要工具・部品の選び方から、DIY交換手順、交換後の水位調整までを詳しく解説します。専門業者依頼の相場情報や注意点も併せて紹介しますので、ご自身で修理を検討中の方は必ずご一読ください。
フロートバルブとは
トイレタンク内に設置され、レバー操作に連動して排水口を開閉し、タンクへの給水を止めたり開始したりする部品が「フロートバルブ(ゴムフロート)」です。ゴム製の弁体とチェーン、オーバーフロー管の接続部から成り、レバーを引くと弁体が持ち上がり水を流し、一定量の水がタンクに戻ると弁体が降りて排水口を塞ぎます。
フロートバルブの仕組み
- レバー操作
レバーを操作するとチェーンを介してフロートバルブの弁体がリフトアップします。 - 排水
タンク内の水が便器へ流出します。 - 給水開始
水位が下がるとボールタップの浮き球が連動し、給水が始まります。 - 給水停止
タンク水位が標準の高さ(オーバーフロー管先端から約2〜3cm下)に達すると給水が止まります。 - 閉塞
フロートバルブが排水口を閉塞し、水が溜まった状態で待機します。
この動作はゴムの柔軟性と機械的な接続が前提ですが、長期間の使用で摩耗や堆積物の付着が進むと、正常に動かなくなります。
劣化の原因と進行メカニズム
- ゴムシールの摩耗・硬化:長年の圧縮・伸縮によりゴムが硬化し、ひび割れや変形が生じる。
- ミネラル堆積:給水中に含まれるカルシウムやマグネシウムがゴム表面や可動部分に付着し、動きを阻害する。
- 金属部品の腐食・金属疲労:チェーンやクリップが錆びたり折れたりして、正しく固定できなくなる。
- 部品位置のずれ:タンク内掃除や衝撃でチェーン長や弁体の位置がずれ、本来の動作範囲を越えてしまう。
これらが組み合わさると「水が止まらない」「給水量が不足する」などのトラブルを招きます。
トラブルの症状とセルフチェック方法
主な症状
- 流れっぱなし:タンクから便器に水が絶え間なく流れ続ける。
- チョロチョロ音/水位低下:少量ずつ水が流れ続ける音が聞こえ、タンクが満水に達しない。
- 水が溜まらない:給水してもすぐに排水され、タンク内に水がほとんど溜まらない。
セルフチェック手順
- 給水停止
タンク横または床給水管の止水栓をドライバーで右回しし、給水をカットします。 - 残水排出
レバー操作でタンクの水を完全に流し、便器内に雑巾やタオルを敷いて残水を受けます。 - タンク蓋開放
蓋を静かに持ち上げ、チェーン・弁体・オーバーフロー管に摩耗や汚れがないか目視で確認します。 - チェーン長チェック
チェーンにたるみや張りすぎがないか、手で軽く持ち上げて弁体が水平に密着する位置を探ります。 - 仮給水テスト
止水栓を少し戻して少量給水し、フロートバルブの動作と水位上昇を観察します。
異常を感じたら、清掃や交換を検討してください。
交換準備:必要部品と工具
- 交換用フロートバルブ(ゴムフロート)
- TOTO・LIXIL(INAX)などの純正品、または互換品。
- 型番はタンク底部やカタログで確認。価格は500〜1,500円程度。
- ゴムパッキン(付属・別売りの場合あり)
- モンキーレンチ/ウォーターポンププライヤー
- 袋ナットの緩め締め用。
- マイナスドライバー
- 止水栓操作用。
- ゴム手袋・雑巾・バケツ
- 作業時の汚れ・残水対策用。
- 水面マーカー(マスキングテープなど)
- 給水後の水位調整に便利。
交換手順(ステップバイステップ)
- 給水停止&残水排出
- 止水栓を右回しにして給水を止める。
- レバーを操作しタンク内の水を完全に排出。便器には雑巾を敷く。
- 古い部品の取り外し
- レバーチェーンのフックを外す。
- オーバーフロー管から弁体を真上に引き抜く。
- 残った古いパッキンを丁寧に剥がす。
- タンク内部清掃
- 弁体取り外し後、オーバーフロー管内側や底部の堆積物を歯ブラシで除去。
- 新しいフロートバルブ装着
- 新品弁体をオーバーフロー管先端へしっかり押し込み、クリップやはめ込み部で固定。
- チェーンをレバーアームに掛け、弁体が管口に密着する遊びを確保しながらチェーン長を調整。
- 給水再開&動作確認
- 止水栓を反時計回りに戻して給水を再開。
- 数回フラッシュし、漏れ・異音がないか確認。
交換後の水位調整と最終チェック
- 標準水位設定
タンク水面がオーバーフロー管先端から約2〜3cm下になるよう、ボールタップ根元の調整ねじで微調整。 - 流量切替
ボールタップの調整ねじを回すことで、流す水量(大/小)を切り替えられる機種もあります。 - 最終フラッシュ確認
大・小を複数回流し、音と止水をチェック。タンク周囲の床に漏れがないかも必ず確認してください。
メンテナンスと注意点
- 定期点検
半年に一度、タンク内を開けて目視点検し、異物やゴム部品の劣化を確認しましょう。 - 水質ケア
硬度の高い地域では、クエン酸などを混ぜた水で内部をすすぎ、ミネラル堆積を防ぐと効果的です。 - 交換タイミング
ゴムが硬化・ひび割れし始めたら早めに交換を。使用5年以上なら予防的交換がおすすめです。 - プロ依頼の目安
DIYに不安がある場合や工具がない場合、業者への依頼費用は相場で8,000〜15,000円程度です。
フロートバルブの劣化はトイレトラブルの代表格ですが、部品交換は比較的シンプルなDIY作業です。本ガイドを参考に、安全に作業を進め、快適なトイレ環境を維持しましょう。
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